甘南side
レイちゃんが何も言わず無視した瞬間、女の人たちはさらに怒り出した。
真希ーーそう呼ばれたその子に私は見覚えがあった。
時雨くん達がまだ中学生だった頃、遊んでいた女の子の一人。
真希「ふざけてんじゃないわよ!こいつら好きにしていいわ」
吐き捨てるような声。
彼女の後ろにいた数人の男たちが、途端に顔を歪めて笑った。
男「マジでいいのかよ笑」
男「まじ上玉じゃん笑」
ニヤついた視線が、私とレイちゃんに突き刺さる。
心臓が跳ねて、足が動かない。
こちらに向け近づいてくる男。
レイちゃんはそれでも動じず、水着を眺めながら小さく息をついた。
「……くだらない」
そう呟いたように聞こえた、その瞬間だった。
一人の男がレイちゃんの腕を掴んだかと思うと、
ーードサッ。
重い音を立てて、地面に崩れ落ちた。
え、今なにが……?
まばたきををする間に、その人は意識を失っていた。
レイちゃんは微動だにしない。
ただ、視線だけを僅かに動かし、冷たく見下ろしていた。
周囲の空気が、一瞬で凍りつく。
周りにいて、助けに入ろう迷っていた人たちも、唖然としてレイちゃんを凝視している。
そのあとはもう凄かったとしか言いようがない。
他三人の男の人たちが、一斉にレイちゃんに襲いかかるもこれまた一撃で全員を倒していった。
何が起きたのか、誰も理解できなかった。
気づけば全員、倒れていた。
レイちゃんは、髪一本乱さず、表情は冷たく、何も感じていないような顔。
