ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



翼「よ〜。レイも連れてきたのか〜?」

月夜「俺たちニコイチだからな笑」

「・・・きも」

なにが、ニコイチだよ。相変わらずゆるい口調でだるそうに喋る銀髪の男、佐川翼。月夜と仲良さそうに話しているのは中学が同じで少しの間だけ南浜の生徒だったから。


南の間では唯一、月夜と同等に対話できていた男。私が南浜に入る時にはすでに東海に行っていたけど。


翼「久しぶりだな、元気だったか〜」

「まぁそれなりに」

翼「2年ぶりくらいか〜」


翼に泣かされた女は数しれず。18とは思えないほどの色気をいつも振りまいている。


葵「で、どうなんだよ」

「……なにが」

葵「だから東城が本当の妹より居候の女、大事にしててどう思う」


葵は私がなんていえば満足するのだろう。泣いて悲しいとでも、怒って責めるでもすればいいのだろうか。


そんなことをしたところで、なにも変わらないというのに。


「……なにも思わないけど」


肩をすくめて答える私に葵の顔が、期待を外された子どもみたいに歪む。

「強がんなよ。惨めだって言えよ」

「言ったら、何か変わるの?」

言葉より先に、彼の指がさらに食い込んだ。
痛みはあったけど、振りほどく気にはならなかった。