ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



あの日、二人の間になにがあったのか分からないけど仲睦まじい二人を見てあからさまに朝倉の機嫌が悪くなっているのがわかる。


月夜「レイ、俺にも一つちょうだい」

レイ「あんた、さっきつまみ食いばかりしてたじゃない」


そう冷たく返すレイだが時雨にしたようにたこ焼きを朝倉の口に運ぶレイは鈍感だ。
時雨の表情がみるみると変形していくのを察知していない。


ドス黒いオーラはひとひとり殺しそうなほど殺気立っている。


翼「そういえば、葵は来てないのか〜」


空気を読んだのか、翼があえて話題を変える。
それにレイが軽く笑って返す。


レイ「葵が来るわけないでしょ笑。こんな賑やかしい場所」

月夜「あいつ基本、引きこもりだしな笑」

レイ「太陽浴びないからあんなに白いんだよ」

月夜「ひょろひょろ君だしな笑」


朝倉の弟である葵を馬鹿にしている会話を続けていると、レイたちの背後に影が落ちた。


葵「……おい、お前ら。人がいないと思って好き勝手言いやがって」


その声が響いた瞬間、朝倉が振り返る。
そして呆れたように眉を上げた。


月夜「お前、海にまで来てなんだその格好」


そこに立っていた葵は、海辺の灼熱には場違いな格好で現れた。
黒のシャツに長ズボン。
日差しを浴びても一切の汗をかかず、表情も変わらない。