ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



月夜「あれ、レイ。店抜け出してなにしてんだ」

「鉄がもういいって。……甘南たちが一緒にご飯食べようって誘ってくれてるんだけど、月もどう」

月夜「……お前らがいいなら、俺はいいけど」

甘南「うん!全然いいよ!ね?」

遥斗「あぁ」


こうして一緒に昼ごはんを食べることになったーーのはいい。
……いいんだけど、私は今、非常に困っている。


砂浜に立てられたパラソルの下。
青と白の縞模様のレジャーシートが広げられ、みんながそれぞれの場所に座り出す。


私の両隣にはーー
時雨と月夜。


お互い何を話すわけでもなく、沈黙が続く。
時雨は視線を落として缶ジュースを開け、月夜はストローをいじりながらぼんやり海を見ている。


そんな中ーー


甘南「レイちゃんの作ったたこ焼き、美味しいね!」


明るい声が沈黙を破った。
その笑顔が眩しくて、ちょっと救われる。


時雨「レイが作ったのか?」

「出店手伝ってたから……でも、それは鉄が作ったやつ」

時雨「へぇ」


最後らへんは暑かったからほぼ鉄に任せてたから最後のこれらは鉄作だ。まぁ私が作るのより鉄の方が上手だから当たりだね。


缶を口に運びながら、ほんの少し口角を上げた。
その横顔に、胸がざわつく。


……あの日以来、会うのは初めてだ。


時雨は特に変わった様子はなく意識しているのが私だけみたいで少し腹が立つ。


私はあの時の色っぽい顔の時雨が頭から離れないでまともに顔を見れないっていうのに……。