ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



「そっちはデート?」

甘南「ち、違うよ!///久々に海に行きたいなってみんなで話してて・・・お兄ちゃんたちもいるよ」


顔を真っ赤にして手を振る甘南。
その反応の早さに思わず笑ってしまった。
なるほど――噂はあっても、まだ付き合ってはいないらしい。


「……へぇ」


そう答えながら、私はほんの少し胸の奥がざわつくのを感じた。
“みんな”という言葉に、ある人の顔が浮かぶ。

――時雨。

あの日のキス以来、一度も会っていない。



鉄「お嬢、今日はもうこっち俺たちだけで大丈夫なんであがっていいっすよ」


片付けを始めていた鉄が声をかけてくる。
本当に問題なさそうだし、助かった。


「ありがと。じゃあ、遠慮なく」


甘南「レイちゃんも一緒に食べない?いっぱい買ってるから」


遥斗の両手に持っている袋の中には、焼きそばやら唐揚げがぎっしり。


「あー、……月夜もきてるから、探してもう帰ろうかと思ってたけど」

遥斗「あれじゃね?」


指差した方向を見た瞬間、ため息が出そうになった。


人だかりに、黄色い歓声。
その中心にーー月夜と、東海の幹部たち。


まるで有名人の撮影会だな。


月夜は気だるそうに笑いながら翼と談笑している。
その周りには、近づくこともできないほどの女の子たちの輪。


私と甘南が近づくと、群がっていた女たちの何人かがこちらを見て、すぐに距離を取った。
離れた場所で、ヒソヒソと何かを言っている。


まぁ悪口だろうけど。