prrrr
しばらく他愛のない話をしていると、テーブルの上で、甘南のスマホが震え、着信音が静かなカフェに小さく響いた。
甘南は出る様子はなく視線をあからさまにスマホから逸らしている。
「……出ないの?」
問いかけると、甘南は一瞬ぴくりと肩を震わせ、困ったような笑みを浮かべながら首を横に振った。
甘南「う、うん……。実は、今日の朝、お兄ちゃんと喧嘩しちゃって」
「喧嘩?」
甘南「私、門限が18時なの。だからきっと、その電話だと思う」
「18時……随分、過保護だね笑」
少しだけ口元がゆるんだ。
私が笑うと、甘南は苦笑いを返して俯いた。
18時を過ぎてまだ5分も経っていないのに、携帯の電話は鳴り止まない。
甘南「そうだよね!朝も門限を伸ばしてってお願いしたのに聞く耳持ってくれないの」
甘南は両手を合わせて小さく肩をすくめる。
その仕草は年相応の少女らしいけれど、言葉の端には少しだけ窮屈さが滲んでいた。
女子高生の18時門限はきついものがある。友達もろくにできないわけだよ。
「とりあえず、電話くらいとってあげたら?心配しているだろうし」
甘南「でも・・・」
ためらいの混じる声。
はぁ・・面倒ごとには関わりたくはないのだけど。
心の中で小さくため息をつく。
人の家庭の事情に首を突っ込みたいわけじゃない。むしろ、関わりたくないのだが。
仕方なく自身のスマホを取り出し、昨日久しぶりに会った友人へ電話をかける。
