カフェとライター ≪Backstory≫







1ヶ月楽しみだ。


高校の同級生、ずっと嫌がっていた密着を急に受ける、
その相手が水野サン…



最初は、高校の同級生に頼まれて、断れなくて受けたのかとも思っていたけれど。や、戒李もさすがに同級生に頼まれたからってあまり好きではない密着を受けるか?



って話だけど。

でも、泣きつかれたらなきにしもあらずって感じだし…

俺たちはてっきり憂ちゃんから頼まれた説かと思っていたんだけど。



…なんか違いそうで。

「来さん、今日もよろしくお願いします」

「おー!憂ちゃん、よろしくねー」


練習室に入った俺に気がついて、座っていた憂ちゃんが立ち上がり俺に挨拶をする。…運動部みてぇ。



ニコッと爽やかな笑顔を見せる憂ちゃんに挨拶して

持ってきた荷物をおく。

初日のスーツ姿と変わって、私服になった憂ちゃん。

戒李、顔にはまーったく出してないけど、嬉しいんだろうなぁ、と思うと自然に顔がにやけてしまう。気付かれると不機嫌になるから


絶対にバレないように気をつけるけど。

戒李の密着だから、ただただ戒李のことだけ追うのかと思ってたのだけど。

憂ちゃんは、できるだけ仕事のことも理解しようとしてくれているみたいだ。戒李や俺たちの邪魔にならないように、必死に学ぼうとしている姿が見れて意外だった。



新人のマネージャーでもここまで細かく知ろうとはしてないような。

練習中は振付師と同じくらい

真剣に戒李だけじゃなく俺らを見ている姿が鏡越しで見えるし、

休憩中は仕事の書類や俺らの資料を読み込んでる姿が見れる。