「あ、じゃあ知らなかった感じ?」
「いや、喋ったりはしてたから顔見知りではあった」
「へーー久々の再会って、やつ?」
光が言って、ニヤリ、3人とも同じ顔。たぶん俺らみんな、
同じことを思ったはず。
黙る戒李。返事する気はないようなので、水野サンの方を見れば
困ったように苦笑いではい、と頷かれた。
「え、ちょっと何。それめっちゃ萌えるんだけど」
「憂ちゃん詳しく聞かせて」
「戒李の高校生活聞きたすぎる」
や、ちょっとコレ
ただの〝密着〟じゃないだろ。明らかに私情が入ってる空気。しかもそれが禅じゃなく戒李ってのが俺らに刺さるんですけど。
「やめろ」
こっちが水野さんにいろいろインタビューしたいくらい。
それを前面に出しいろいろ聞き出そうとする俺らに
静かに制止してくる。その絵も面白い。
いい戒李をいじるネタができた。



