カフェとライター ≪Backstory≫





「こりゃ拗らせるわ」

な、戒李。までは言わないけど。

「うんうん、やっとわかった。拗らせるね」

光の呟きに、俺も新も激しく同意。


「こじ…、?」


うんうんと頷く俺たちと。なんのことだかわかんない憂ちゃん。そんな俺らを一瞥して。



「再開しよ」

立ち上がって練習を再開しようとする戒李に打ち切られる。

…憂ちゃん。あれさ、憂ちゃんが俺らの曲の中で1番好きだって言った曲さ、

戒李が作ったんだよ。


初めて作詞作曲したやつ。「俺無理」って拒否したけど、一応やってみようよ、って言われて仕方なく受けてみて作った曲。


「忘れられない恋したことある?…まだ若いからないかな?無かったら映画でもドラマでも小説でもいい。吸収して、想像して作ってみて」



そう言われて、

めちゃくちゃ苦い嫌そうな顔して作ってたよな、そういや。

正直俺に振られなくて良かったーって思ったのと、


戒李かわいそ、がんばれー、って他人事のように思ってたわ。


その時。そうだ。でも、出来上がったのを聞いた後、予想以上の出来栄えに俺ら戒李…!ってなったもん。



すげーわってその時思ったけど。

その時は戒李自身の実体験を元にしてんのか、言われた通り他の作品から感情を勉強して作り上げたのかなんてあんま興味なくて。

ただただいいのができたなーくらいにしか思ってなかったけど。


でもきっと。今ならわかる。絶対そう。憂ちゃんを思って作ってたんだろうな。
















結局その時は真夏で爽やかなCMソングとしての発売とか、タイアップとかそんなのと関係したのと、



戒李が無理って言って、タイミングとかで商品化として世には出ずに流れたんだっけ。