「ういちゃん…」
「ええ、なんで、光くんが泣きそうになってるんですか」
なぜか光が泣きそうになっていて。
や、俺もなんかずーんとくるというか。
こんな、優しい子が、そんなに行き詰まってた過去があったなんて。誰だ憂ちゃんにそんな辛い思いをさせたのは!
思わずその時の憂ちゃんの様子を想像して泣きそうになってしまったんだろう、光の顔を見て、焦りながらも、憂ちゃんも少し思い出してしまったのか
うるっと目が潤んでしまっている。
「なんか、ういちゃんはずっとほんわか幸せに生きてきたんだと思ってた…」
ぽつり、新が呟く。
「いろいろあるんだねぇ…」
光も。なんか、たぶん。今の話で俺たちにもダメージきたな。
「でもあの歌、リリースされてないんですよね?また聴きたくてダウンロードしたくて調べたんですけど、出てこなくて…」
不思議そうに
そう言う憂ちゃんに、
あぁと新が教える。
「あれデモなんだよ」
「デモ…、?」
「結局、あの時は他の曲がリリースされたんだよねー」
「だから知ってる人も少なくて俺らでさえ一瞬忘れてたっていう」
「実際にリリースはされてないけど、って曲」
そう。あの曲は発売されてない。デモだけど、せっかくだからって一度だけラジオで流した曲。



