パッと見、密着するから仕方なく俺らのことお勉強しました、みたいな雰囲気だったのに。
めちゃくちゃファンなのを出されても、
匂わされたりしたらそれはそれでやりにくさはあっただろうから
憂ちゃんのその感じ、距離感はとても居心地がいいけれど。
それは俺らのことを考えて隠してて、実はめっっちゃくちゃ俺らのファンなんじゃねーの?
もー!と両サイドから成人男性の体ごとぶつかられ押されて揺れる憂ちゃんの体。
「………何で」
うぇーい、と盛り上がる中。
「何で、その曲が好きなの」
ぽつり、戒李が聞く。うん。まぁ、知りたいよね。っていうか、知る権利があるよね。
「話せば長くなりそうな…」
戒李の後頭部、それから俺たちを見渡しながら困ったようにいう憂ちゃん。
「聞きたい聞きたい」
新はノリノリだ。
むしろ、こんなおもろい話題、逃すつもりはないだろう。
戒李、こっち向け?こっち向いて聞け?
心の中で声をかけるが、届かない。



