玄関のベルが鳴る。 「拓海、お帰りー。ずぶ濡れじゃん。」 「姉さん、ただいま~。」 琴乃拓海が目の前にいた。 イケメンらしい面影もなくまるでびしょ濡れになってしまったチワワかなんかのよう。 相変わらず学校に行くつもりはないらしい。 「母さんなんだって?」 「父さんと旅行〜。」 「ふーん?じゃあ、姉さんとお留守番なわけね。」 「嫌そうな顔でこっちをみない!」 我ながら不出来な弟のような気がした。