さっきリクと軽く格闘したせいか、雑誌の端っこがすこし裏返しにめくれてしまった。

私はまた表紙の夕焼けを眺める。

夕焼けの絵は、さっきと変わらず、これでもかってくらい私の心に存在を主張してくる。

どうしてこんなに惹きつけられる、景色なんだろう。

私にもこんな空が書けるかな。

どんな気持ちを筆に込めたらこんな風になるんだろう。

「わかつき、れん」

その名前を思わず口に出してつぶやく。

私はまだ見ぬその作家さんの事を想った。

いつか会ってみたいな。

そして私もこういう風に誰かの胸にズドーンって届く絵を、いつか描けたらいいな。