「しーな、帰ろうよ」

クラスの前のドアからリクが顔を出す。
するといつものお決まりの現象がおきる。

「わーリク君、久しぶり~」

「相変わらずしーなちゃんのお迎えなんだねぇ」

「そりゃそうよぉ、リク君はしーなちゃんの保護者なんだもん」

「リク、お前部活決めたのかよ」

「あー抜け駆け禁止、リクはサッカー部って決まってんだよ」

「それ、お前の願望だろ」

リクはどこでも人気者。

スポーツ万能、頭脳明晰で容姿端麗・・・。

そりゃどこでも引く手あまたになるわよねぇ。

「あれ、お前の男?」

隣の頬杖男がいきなり私に聞いてきた。

「あ、弟。」

恥ずかしくて、消え入りそうな声で言う。

リクが私の弟だって言うと、誰もが最初は冗談だと思うから。
ま、確かに姉の私からみてもこれほどまでに正反対の姉弟って珍しいと思う。
同じ遺伝子持ってるはずなのになぁ。

「ふーん」

そういって頬杖男は鞄を持って後ろのドアから帰ってしまった。
以外に背が高くてびっくりした。

はて?

一体何だったんだろう。

不思議な人だ。

しかも私とリクの関係を聞いて驚かなかった人はひなちゃんの次、頬杖男だけだ。