「・・・・ってば、起きなよ」

私の心地よい眠りを無常にも現実へ、引き戻そうとする声が遠くから聞こえてくる。

でもやっぱり雲の上のお昼寝は気持ちがよくて、聞こえないように、

心と耳に蓋をする。

「最終手段発動~リク行きまーす」

そんな声が聞こえてきたと思ったら、

チュッ

キスされてるよ私。

雲の上でキスされるなんでロマンチックだわ~。

う~ん、雲もフワフワしてて気持ちいい。

「気持ちいい?じゃもっとしていいってこと?」

ん?誰?
私しかいないはずなのに無限に広がる大きな空から声がする。

そしてまた唇に生暖かい感触が・・・・。

次の瞬間私はばっちり目を開けて、
目の前に広がる現実の光景を、一刻も早く把握しようと頭をフル回転させた。

OH! MY GOD!!!!

私の顔の前にはクククと意地悪そうに笑う、

弟のリクがいた。

しかも至近距離ッ!

「ちょっと、リク何て事をッ」

そういって私は枕を掴んだ。

勢いよくリクに投げつけようとして、バランスを崩して、ベットから勢いよく落ちそうになった。

「キャー」

このまま顔面から落ちるかと目をぎゅっとつぶった瞬間、ものすごい力で体が宙に浮き、リクの胸に抱きしめられた。

「キャー」

またしても悲鳴をあげる私。