みんながきゃあきゃあ騒いでいても先生は戸惑ったり照れたり一切していない。

5つしか違わないのに、私たちと一番近いのに遠く感じる。

「先生、彼女いるんかな?」

「訊いちゃう?」

先生がいる窓側に早速女子だかりが出来ている。

「せんせ~!先生って彼女いるんですか?」

「ん~どうかな」

「これは絶対いるでしょ!」

「いない方がおかしい!」

「いなかったら私が付き合いたい!」

ストーカーじみた女子たちの視線も発言も痛くも痒くもなさそうな余裕っぷり。

イケメン側の世界にも、イケメンに夢中になる側の世界にも私は足を踏み入れない。

教室の真ん中でただ傍観しているだけ。