*** 「やだっ……」 氷沙は何時間たったのか、もしくは数分しかたっていないのか、それさえも分からないような、暗い空間に取り残されたまま、ただただ闇雲に逃げ惑い続けていた。 襲ってくるのは、意味の分からない化け物たちだ。 逃げても逃げても、見えない出口。 「いや、だ……」 疲れ果てて、立ち止まると、膝から崩れ落ちそうになってしまう。 だが、休もうとしても、襲ってくる化け物たちが休ませてはくれない。