「ふざけんな。楓一人に任せておけるかよ。俺も探す。
楓はどこにいんだよ」


「……それは、」


打ち払われた手を擦りながら水竜は困り顔だ。

確かに昨日の攻撃で、右腕が使いものにならなくなってしまっている、今の自分は姉を探しに行ったとしても、役に立つどころか足手まといになりかねない。


それでも。


「氷沙も楓も、俺は大事なんだ。俺は楓のところに行く」


「それはならん」