「僕と一緒に夏祭りに行ってください…」
緊張した僕の口から出た言葉は、想像していたより細く掠れていた。彼女は驚いた様子で僕のことを見つめる。
少し間が空いて「はい。喜んで。」と言って彼女は笑った顔を見せてくれた。それが僕にはとても嬉しかった。
数日後待ち合わせの場所に行くと浴衣姿の彼女が見えた。息をするのを忘れてしまうくらいに綺麗で彼女と合流して、屋台を回っていく。一通り回り終えると花火の時間が近づいてきた。「神社の近くに花火がよく見える場所があるんだよ」