-序章-


「うわぁぁあぁあん」




少女の叫びが響き渡る。
誰も声をかけない。
人々の顔は関わりたくない
と書かれている。
そんな中一人、
たった一人が声をかけた。


「何ないてるの♪」



それは赤い鼻をし、
白い星の目、
赤いくるくるの髪の毛。
そして可笑しな格好。
ピエロだ。
ピエロが少女に声をかけた。
その仮面といえる顔からは
表情が分からなかった。
少女を慰めようとしているようにも、
馬鹿にしているようにも見えた。