「私は飯島友梨。一年です」
「なんだ俺ら同じ学年だったのか。だったら敬語じゃなくて大丈夫だよ」
「あ、そうだね」
阿久津くんは、私にいろんなことを話してくれた。
クラスのこと、所属している陸上部のことなど。
「いいなぁ、私はあんまり走ったりできないから羨ましい」
「飯島さんは、何か趣味とか好きなこととかないの?」
「私は、読書とか編み物したりすることが好きかな」
「編み物なんかできるんだ。すごいね」
「大したものできないけど…」
「それでもすごいよ。俺は手先不器用だからなぁ」
「ふふ、ありがとう」
今まで同い年の人と話す機会がなかったので、自分の好きなことを褒めてもらえて少し嬉しかった。
「あーなんか飯島さんと話してたら体調よくなってきたかも」
そこまで話すと、授業の終わりのチャイムが鳴った。
「あ、授業終わったね。そろそろ戻らないと」
そう言って阿久津くんは、立ち上がった。
「じゃあね」
「うん。私もたくさん話せて楽しかった」