今日のユキちゃんは優しいけど慰めはくれない。でも紗江も同じかな。『あたし達が泣きごと言っててどうするのよ!』って自分も泣きながら、なんならお尻を蹴飛ばされそう。
「ううん」
ああ。おへその真ん中で、腑抜けた芯がやっと真っ直ぐに立ち上がった気がする。重たいぬかるみに、はまってた足が固まった地面を踏んでる気がする。
「・・・もしどうしても真が高津さんを信用できなくても、あたしが信じるって決めたら恩を着せる。榊を絶対に助けてもらうよ。甘いって言われても、あたしはあたしを信じるね・・・!」
「ようやくチヨちゃんらしくなったわね」
意地悪っぽく、だけど包み込むような眼差しで。
「それじゃ女子会はこの辺でお開きにしましょ?ポケットに入れて持ち歩きたいくらい大事な奥サマにプチ家出されて、マコトちゃんもきっと話したいことがあるんじゃないかしら」
いつの間に呼んだのか、五分と待たずに迎えにきた真の一言めは「ごめん」だった。切なげな笑い顔で頭をぽんぽんされた。色んな『ごめん』が詰まって聴こえて、ちょっと鼻の奥がつんとした。
なんでもお見通しのユキちゃんに愛をこめてお礼を言い、亞莉栖を出る間際、やんわり追いかけてきた声。
「アタシはいつでもチヨちゃんの味方よ」
その呪文にいつもいつも勇気をもらった。効き目抜群なお守り。胸の辺りを探るようにキュッと掌を握る。
さっきまで泥に取られて動かなかった足を、力いっぱい踏み出す。扉の向こうへ、その先へ。
「ううん」
ああ。おへその真ん中で、腑抜けた芯がやっと真っ直ぐに立ち上がった気がする。重たいぬかるみに、はまってた足が固まった地面を踏んでる気がする。
「・・・もしどうしても真が高津さんを信用できなくても、あたしが信じるって決めたら恩を着せる。榊を絶対に助けてもらうよ。甘いって言われても、あたしはあたしを信じるね・・・!」
「ようやくチヨちゃんらしくなったわね」
意地悪っぽく、だけど包み込むような眼差しで。
「それじゃ女子会はこの辺でお開きにしましょ?ポケットに入れて持ち歩きたいくらい大事な奥サマにプチ家出されて、マコトちゃんもきっと話したいことがあるんじゃないかしら」
いつの間に呼んだのか、五分と待たずに迎えにきた真の一言めは「ごめん」だった。切なげな笑い顔で頭をぽんぽんされた。色んな『ごめん』が詰まって聴こえて、ちょっと鼻の奥がつんとした。
なんでもお見通しのユキちゃんに愛をこめてお礼を言い、亞莉栖を出る間際、やんわり追いかけてきた声。
「アタシはいつでもチヨちゃんの味方よ」
その呪文にいつもいつも勇気をもらった。効き目抜群なお守り。胸の辺りを探るようにキュッと掌を握る。
さっきまで泥に取られて動かなかった足を、力いっぱい踏み出す。扉の向こうへ、その先へ。



