「もう殴っちゃった、・・・榊のこと」
真の懺悔が切なく耳に響いたのを、ようやくあたしも打ち明け。
「そっか」
「聞いた?」
「オフクロに」
「あたしに心配すんなって。跡目の仕事じゃないとか言い出すから、ついね」
真に体重を預け、ぽつぽつ吐き出してく。
「榊らしくないよ、だから謝んない。でも絶対なんか理由があんでしょ。だったらちゃんと聞くし、ちゃんと話する気でいたらこんなことになってるんだもん。哲っちゃんと仁兄にまで騙されちゃった・・・」
「宮子に訊かれたら検査で通せって、オレが頼んだの」
優しい嘘つき。きっと逆。たぶん真犯人は仁兄で哲っちゃんも共犯。
「オレが、オレ達が思うのは何があってもオマエが笑えることでさ。そこだけは1㎜もブレたくないんだよ」
「わかってる。つもり」
「俊哉に会いたいならこれから連れてく。どうする?」
「行く!」
顔を上げて目が合った真はどっか儚そうに笑った。
エレベーターで下まで降りるとエントランスの表に黒のミニバンと、離れてワゴン車がハザードを点滅させて待機してた。はじめから榊のところに向かうつもりで、人数を揃えてきたんだろう。
あたしと真が二列目シートに乗り込むのを待って、ミニバンが静かに滑り出す。運転手の西沢さんは、榊とは別の意味で真の片腕って呼べる人になった。なってくれた。
真の懺悔が切なく耳に響いたのを、ようやくあたしも打ち明け。
「そっか」
「聞いた?」
「オフクロに」
「あたしに心配すんなって。跡目の仕事じゃないとか言い出すから、ついね」
真に体重を預け、ぽつぽつ吐き出してく。
「榊らしくないよ、だから謝んない。でも絶対なんか理由があんでしょ。だったらちゃんと聞くし、ちゃんと話する気でいたらこんなことになってるんだもん。哲っちゃんと仁兄にまで騙されちゃった・・・」
「宮子に訊かれたら検査で通せって、オレが頼んだの」
優しい嘘つき。きっと逆。たぶん真犯人は仁兄で哲っちゃんも共犯。
「オレが、オレ達が思うのは何があってもオマエが笑えることでさ。そこだけは1㎜もブレたくないんだよ」
「わかってる。つもり」
「俊哉に会いたいならこれから連れてく。どうする?」
「行く!」
顔を上げて目が合った真はどっか儚そうに笑った。
エレベーターで下まで降りるとエントランスの表に黒のミニバンと、離れてワゴン車がハザードを点滅させて待機してた。はじめから榊のところに向かうつもりで、人数を揃えてきたんだろう。
あたしと真が二列目シートに乗り込むのを待って、ミニバンが静かに滑り出す。運転手の西沢さんは、榊とは別の意味で真の片腕って呼べる人になった。なってくれた。



