今のあたしと真は引き合う磁石じゃなくてきっと、弾き合う磁石。分かりたいけど分かったフリはどうしてもできない。
ねぇ。ひとりだけ置いてけぼりにされてる寂しい気持ちは、ただのワガママ?
真や榊、みんなのくれる優しさでビン詰めにされてれば幸せ?
あたしが貫きたい『臼井宮子』は間違ってる?
ここまで出かかって、咄嗟に掴まれてた手を振りほどく。口に出したらどれも真をひどく傷付けそうで、いたたまれなかった。
「みや」
「ッッ・・・ごめんっ」
顔も見ないでそのまま事務所を飛び出し、自分の愛車に乗り込む。表門と裏門は遠隔操作で開けてもらえないだろうから、哲っちゃんちの方へ回って外に出た。
運転するのも一人なのも久しぶりだ。家を出てた頃を思い出す。真と一から向き直るためのひとり暮らしだった。
このままあてもなく遠くまで走りたい衝動。そんなことしたら本家が総出であたしを追いかける羽目になる。警察も騒ぎを見逃さないだろうし、思わず自嘲めいた笑いが小さく零れた。
「・・・家出もできないよねぇ」
行き先はマンション。他に思い付かない。広くない駐車スペースに丁寧に車庫入れして部屋へ向かった。
頭冷やすくらいの時間がほしかっただけ。だからスマホの電源を切らなかった。GPSで居場所を辿れる意味が真には通じると思ったから。
ねぇ。ひとりだけ置いてけぼりにされてる寂しい気持ちは、ただのワガママ?
真や榊、みんなのくれる優しさでビン詰めにされてれば幸せ?
あたしが貫きたい『臼井宮子』は間違ってる?
ここまで出かかって、咄嗟に掴まれてた手を振りほどく。口に出したらどれも真をひどく傷付けそうで、いたたまれなかった。
「みや」
「ッッ・・・ごめんっ」
顔も見ないでそのまま事務所を飛び出し、自分の愛車に乗り込む。表門と裏門は遠隔操作で開けてもらえないだろうから、哲っちゃんちの方へ回って外に出た。
運転するのも一人なのも久しぶりだ。家を出てた頃を思い出す。真と一から向き直るためのひとり暮らしだった。
このままあてもなく遠くまで走りたい衝動。そんなことしたら本家が総出であたしを追いかける羽目になる。警察も騒ぎを見逃さないだろうし、思わず自嘲めいた笑いが小さく零れた。
「・・・家出もできないよねぇ」
行き先はマンション。他に思い付かない。広くない駐車スペースに丁寧に車庫入れして部屋へ向かった。
頭冷やすくらいの時間がほしかっただけ。だからスマホの電源を切らなかった。GPSで居場所を辿れる意味が真には通じると思ったから。



