お腹の底がきゅっと引き締まった。榊は花より団子だろーけど、お日さまみたいな明るい色のブーケを飾りたい気分。
病院への道すがら、大きいスーパーに寄ってもらおうと隣を見上げた。
「ねぇ哲っちゃん、どっかでお花・・・」
話しかけたのとちょうど、スーツの胸ポケットあたりでバイブ音。哲っちゃんはあたしに断ってからスマホの画面に目を細め、耳に当てた。
「仁か。・・・どうかしたか」
『宮子は一緒じゃねぇのか?親父』
音のない車内に急いたような声が漏れ聞こえた。
『松田医師から連絡があった、榊の意識が戻ったぞ・・・!』
少し早口で、でも仁兄がはっきりと。思わず伸びた手が哲っちゃんのスマホをもぎ取る。
「仁兄っ、ほんとに・・・ッ?!ほんとに目が醒めたの?!」
『こっちも向かってるところだ、宮子も早く来い』
言うだけ言って通話は切れた。
真っ暗になって沈黙したそれを握ったまま、茫然と。ユキちゃんに励ましてもらった矢先で、思わない突然だったから夢なのかと思った。信じていいのか一瞬わからなくなった。
やんわりスマホを抜き取った哲っちゃんが、言葉を失くすあたしを抱き寄せた。
「三途の川を渡らずによく辛抱してくれたな」
「・・・っっ」
「俺の誇りだ、榊もお前も」
病院への道すがら、大きいスーパーに寄ってもらおうと隣を見上げた。
「ねぇ哲っちゃん、どっかでお花・・・」
話しかけたのとちょうど、スーツの胸ポケットあたりでバイブ音。哲っちゃんはあたしに断ってからスマホの画面に目を細め、耳に当てた。
「仁か。・・・どうかしたか」
『宮子は一緒じゃねぇのか?親父』
音のない車内に急いたような声が漏れ聞こえた。
『松田医師から連絡があった、榊の意識が戻ったぞ・・・!』
少し早口で、でも仁兄がはっきりと。思わず伸びた手が哲っちゃんのスマホをもぎ取る。
「仁兄っ、ほんとに・・・ッ?!ほんとに目が醒めたの?!」
『こっちも向かってるところだ、宮子も早く来い』
言うだけ言って通話は切れた。
真っ暗になって沈黙したそれを握ったまま、茫然と。ユキちゃんに励ましてもらった矢先で、思わない突然だったから夢なのかと思った。信じていいのか一瞬わからなくなった。
やんわりスマホを抜き取った哲っちゃんが、言葉を失くすあたしを抱き寄せた。
「三途の川を渡らずによく辛抱してくれたな」
「・・・っっ」
「俺の誇りだ、榊もお前も」



