散歩には上々の春日和だった。そんな大層な庭でもないけど大層に見える。傍らの別次元級な存在感に。
「ユキちゃん」
「なんでも聞くよ」
日傘をあたしに差しかけて、ニッコリ先回り。なんでもって言われた途端、逆に頭が冷えた。
たとえ哲っちゃんに頼まれたって、情にほだされて引き受けるユキちゃんじゃない。ここにいるのが納得づくの答えなら、理由すらいらない。
「こんな重大発表を黙ってて、今日にかぶせてくるとか、みんなあたしを甘やかしすぎ」
ゆっくり歩幅を気遣ってくれる清涼系推しメンに、小っちゃく頬を膨らませる。
「猫にマタタビぐらい、ユキちゃんは“反則”だからねっ」
「誉め言葉かな、ありがとう」
クスクスと返った横顔に訊ねた。
「・・・これからは藤代雪緒として表舞台に立つってことなの?」
「表舞台の袖でジンとマコトを見届けるよ、オブザーバーとして」
あくまで“影“として。それがユキちゃんの貫きたい信念なのかもしれない。
「亞莉栖は?」
「そろそろ潮時だと思ったからね、畳むつもりだった」
つい足が止まったあたしに、半身傾けて淡く笑み崩したユキちゃん。
「マコトちゃんに猛反対されたのよ」
「隠居なんて、まださせねーよ?ユキ姉」
「ユキちゃん」
「なんでも聞くよ」
日傘をあたしに差しかけて、ニッコリ先回り。なんでもって言われた途端、逆に頭が冷えた。
たとえ哲っちゃんに頼まれたって、情にほだされて引き受けるユキちゃんじゃない。ここにいるのが納得づくの答えなら、理由すらいらない。
「こんな重大発表を黙ってて、今日にかぶせてくるとか、みんなあたしを甘やかしすぎ」
ゆっくり歩幅を気遣ってくれる清涼系推しメンに、小っちゃく頬を膨らませる。
「猫にマタタビぐらい、ユキちゃんは“反則”だからねっ」
「誉め言葉かな、ありがとう」
クスクスと返った横顔に訊ねた。
「・・・これからは藤代雪緒として表舞台に立つってことなの?」
「表舞台の袖でジンとマコトを見届けるよ、オブザーバーとして」
あくまで“影“として。それがユキちゃんの貫きたい信念なのかもしれない。
「亞莉栖は?」
「そろそろ潮時だと思ったからね、畳むつもりだった」
つい足が止まったあたしに、半身傾けて淡く笑み崩したユキちゃん。
「マコトちゃんに猛反対されたのよ」
「隠居なんて、まださせねーよ?ユキ姉」



