「やっぱ男前だな」
いつもだったらわざと茶化しそうな真が、ふっと口角を上げる。
「紗江に顔向けできない極道にだけは、死んでもならねーよ」
「今の言葉、録音するからもう一回言って」
もちろん紗江は大真面目。
「青木」
榊が口を開いた。そう言えばあんたは、真以外の同級生をみんな苗字呼びだった。
「俺のことはいい、テメェが勝手にしてきただけだ。この先も変わらねぇよ」
『心配させて悪かった』が遠回しな不器用男。
「榊クンはね、自分が思ってるより頑張りすぎてるから。アクセル踏みっぱなしじゃ、いざって時にブレーキ壊れて止まれないわよ?」
「・・・おう」
バツが悪そうに目を泳がせたのを、紗江が右手を差し出す。
「誰のためでも死んだりしたら、遺されるあたし達は一生不幸だってことだけ忘れないでね」
「・・・・・・青木には敵わねぇな」
握り交わした二人に、あたしは目を細めた。さっぱりしてるけど温もりがあって、深いとこでちゃんと繋がってる絆が、切なく染みて。
朗らかな笑顔で振り返り、空いてる手を大きく振った彼女が横断歩道を渡るまで見送った。
足し算も引き算もない真っ直ぐな紗江の思いは、三人の胸の真ん中に届いてる。
「死ぬなよ俊哉」
真が小さく溢した。
「死にたくねぇなら逃げりゃいーんだよ。『上出来だ』って堂々とホメてやるよ、オレも宮子も」
いつもだったらわざと茶化しそうな真が、ふっと口角を上げる。
「紗江に顔向けできない極道にだけは、死んでもならねーよ」
「今の言葉、録音するからもう一回言って」
もちろん紗江は大真面目。
「青木」
榊が口を開いた。そう言えばあんたは、真以外の同級生をみんな苗字呼びだった。
「俺のことはいい、テメェが勝手にしてきただけだ。この先も変わらねぇよ」
『心配させて悪かった』が遠回しな不器用男。
「榊クンはね、自分が思ってるより頑張りすぎてるから。アクセル踏みっぱなしじゃ、いざって時にブレーキ壊れて止まれないわよ?」
「・・・おう」
バツが悪そうに目を泳がせたのを、紗江が右手を差し出す。
「誰のためでも死んだりしたら、遺されるあたし達は一生不幸だってことだけ忘れないでね」
「・・・・・・青木には敵わねぇな」
握り交わした二人に、あたしは目を細めた。さっぱりしてるけど温もりがあって、深いとこでちゃんと繋がってる絆が、切なく染みて。
朗らかな笑顔で振り返り、空いてる手を大きく振った彼女が横断歩道を渡るまで見送った。
足し算も引き算もない真っ直ぐな紗江の思いは、三人の胸の真ん中に届いてる。
「死ぬなよ俊哉」
真が小さく溢した。
「死にたくねぇなら逃げりゃいーんだよ。『上出来だ』って堂々とホメてやるよ、オレも宮子も」



