乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

命をくれるのが哲っちゃんでも仁兄でも、たとえユキちゃんでも、相澤さんだったとしても。連れてかない、愛しい(ひと)だからこそ格好良く生きて、生きて、悔いなく散ってほしい。

真は。真だったらきっと。あたしの心残りを背負って、あたしの分までリンを愛して、色気たっぷりなおじいちゃんになって。持ちきれないほどのお土産話に埋もれながら甘い顔で笑うの、『おまたせ宮子』って。

どんな願いでも、榊が望むならあたしは叶える。最後に報いてあげられるのがそれだけなら。

「それがあんたの誇りなら、堂々と追いかけてきなさいよ」

真っ直ぐ見返した。一瞬、思ってなかったように榊は目を瞠った。

「・・・決まってんだろが」

噛みしめるように、なぞるように、(したた)かに。

引き返す間も手を繋いだまま。半歩、先を歩く榊の、前より細くなった肩幅に力が戻って見えた。

「カラダ冷やすから、帰ろ宮子」

「平気?お腹張ってない?」

真と紗江が代わる代わる。

「大丈夫、マイナスイオンいっぱい浴びてきたもん!」

愛嬌たっぷりに返事して、“臼井宮子”のスイッチを切った。

駐車場に停めたキャンピングカーに荷物を積み、施設をあとにする。ダイネットはテーブルを格納してベッドルームになり、真は助手席へ。

家でくつろいでる気分で紗江とおしゃべりを弾ませ、久しぶりの同窓会は終わりに近付く。