乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

同窓会、もとい紗江先生の新米パパママ講座付きバーベキューは、あっという間に時間が過ぎた。

「ねぇ真、ちょっと散歩してきていい?」

片付け終わる頃合いで上目遣いにお願い。デッキの端から河原に下りられるのを、行ってみたくて気になってた。

「コケないよーに気をつけな。俊哉、ついてって」

「大丈夫だってばぁ、見えるとこにいるし。紗江は行かない?」

「遊佐クンがぼっちじゃ可哀想だから、あたしがお守りしてるわよ」

「・・・つかまれ」

たった四段なのに、階段の下から腕を伸ばす榊。真のよりゴツゴツした掌。・・・あれ、こんな感じだったっけ?

そのまま手を引かれ、石の絨毯を踏みしめて川べりまで。澄んで浅瀬は流れが穏やか。なに見ても、はしゃいで可愛い子供の後ろ姿が浮かぶ。すっかり親バカ。

「気持ちいいよねぇ、リンが大きくなったらリピ決定だよ」

水際をゆっくり。かたく繋いだ手を離さないで、黙ってゆっくり。・・・ああそっかぁ、ハグはあったけど繋いで歩くの初めてだっけ。

握った指の強さで会話してる気がする。

行ってらっしゃい。
待ってる。

必ず帰る。
心配ねぇよ。

・・・ねぇ、行かないでよ榊。

お前に惚れて、惚れぬく俺を信じやがれ。