乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

四人掛けのダイネットは、片側がトライアングルシートで余裕がある分、膝を折った体勢なら寝転べる。頼んでなかったのにクッションと毛布も準備万端で、ひとり半の体を遠慮なく楽させてもらう。

「・・・三十分おきにコンビニに寄るからな」

運転席からのぶっきら棒には気遣いが隠れてて。休憩しながら紗江との待ち合わせ場所へ向かった。

ほんとは新居も見たかったし、玄関先まで迎えに行きたかった。行きたかったんだけど!

過保護ぶりが増し増しになってる哲っちゃんの愛で、護衛が一台くっ付いてきてるから、車が大きいのを理由に近くのコンビニでピックアップ。

「宮子ひさしぶり~っ、お腹出てきたわねー!」

「まだこれからだよー」

気兼ねなく再会を喜び合うと、真がこっち側に移って、テーブル向かいの二人掛けシートを紗江に勧める。飲みものは備え付けの冷蔵庫から自由に。

「ほんとに家みたい。こういうのって憧れるわよ、やっぱり」

右へ左へ振り返っては感嘆する紗江。一巡りした視線を真に着地させてニンマリした。

「ホストのまま父親になったら、そのカオ潰れるまで殴ってあげたけど、オマケして75点てとこね」

「けっこう高得点じゃね?」

「赤点ギリギリ」

「相変わらずキビシイね、紗江ちゃん・・・」

よしよし。隣りで芝居がかって肩を落とす、相変わらず見た目は極道らしくない男の、頭を撫でてなぐさめる。