日を追うごとに希望と絶望に掻き回される自分がいた。張ってる気持ちの糸がすり減ってくのを、必死に取り繕ってた。
なにより榊を信じきってないあたしを赦せなかった。しっかりしろって背中たたいて励ましてほしかった。
紗江に泣きつきたくなったのを何度も堪えて、言い聞かせても、自分の足が前へ出せてる気がしなかった。
モウ、ダメ。
ダレカ、タスケテ。
袋かぶせて、底に隠したSOSに気付いちゃったのかなぁ。だから真でも仁兄でもなく、ユキちゃん。・・・なのかな。
「俺に見とれて、どうかしたかい」
気配に敏い哲っちゃんには敵わない。ばっちり目が合って淡く笑まれる。
「あ、・・・うん。哲っちゃんは相変わらずイイ男だなぁって思って」
「お前がそう言うから男を下げられねぇのさ」
渋い色気に当てられて眩暈がしそう。
「哲司さん、チヨちゃんを口説くのはその辺で」
「邪魔すると馬に蹴られるぞ?雪緒」
「邪魔しないとマコトちゃんに蹴られちゃいますから」
「そんな度胸があるかねぇ」
口の端を緩ませて、本気っぽく冗談を交わすオトナな二人。
デザートのさくらんぼゼリー寄せをお腹に収めるまで、なんでもない普通の話をして、ときどき笑わせてもらって。亞莉栖にいるみたいに心地よかった。
結婚式の前々夜、四人で乾杯したのがずいぶん昔のような。気がした。
なにより榊を信じきってないあたしを赦せなかった。しっかりしろって背中たたいて励ましてほしかった。
紗江に泣きつきたくなったのを何度も堪えて、言い聞かせても、自分の足が前へ出せてる気がしなかった。
モウ、ダメ。
ダレカ、タスケテ。
袋かぶせて、底に隠したSOSに気付いちゃったのかなぁ。だから真でも仁兄でもなく、ユキちゃん。・・・なのかな。
「俺に見とれて、どうかしたかい」
気配に敏い哲っちゃんには敵わない。ばっちり目が合って淡く笑まれる。
「あ、・・・うん。哲っちゃんは相変わらずイイ男だなぁって思って」
「お前がそう言うから男を下げられねぇのさ」
渋い色気に当てられて眩暈がしそう。
「哲司さん、チヨちゃんを口説くのはその辺で」
「邪魔すると馬に蹴られるぞ?雪緒」
「邪魔しないとマコトちゃんに蹴られちゃいますから」
「そんな度胸があるかねぇ」
口の端を緩ませて、本気っぽく冗談を交わすオトナな二人。
デザートのさくらんぼゼリー寄せをお腹に収めるまで、なんでもない普通の話をして、ときどき笑わせてもらって。亞莉栖にいるみたいに心地よかった。
結婚式の前々夜、四人で乾杯したのがずいぶん昔のような。気がした。



