乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

『たまには外でピクニックとかどう?ほら、キャンピングカーあるって言ってたでしょ、それなら宮子も楽じゃない?』

榊の出発を知った紗江の発案で、誕プレの有効活用と同窓会決定。

心配性の真も、あたしの体調優先が条件でわりと素直に。榊には、メインが紗江の引っ越し祝いなのを強調して、近所の散歩ばっかりじゃ飽きたって、ごねて見せた。

二月の終わり、土地から探して建てたマイホームで新しい暮らしが始まった彼女。真の入院も重なったし、お祝い渡すチャンスを逃しそうだったから、紗江が言い出してくれのは正直助かった。あたしのお願いだったら即却下に決まってたもん・・・。

陽斗くん優先でいつもは時間貸しの紗江(ママ)を、優しいダンナ様のおかげで貸し切りにしてもらえ、四人そろって遊びに出かけるなんて五、六年ぶりな気がする。

長袖に薄手の上着を引っかけるくらいがちょうどの陽気で、天気は上々。家の裏手に鬱蒼とつづく雑木林の緑も、若葉に朝の陽射しが透けて、食べたらやわらかい味がしそうだった。

ジャンパースカートの下にマタニティレギンスを履き、パーカーを羽織ってキャンピングカーに乗り込む。

「着くまで寝てな」

後からゆっくりステップを上がってきた真が、全部まかせっきりな嫁を甘やかす。奥さん想いな紗江のダンナ様より、きっと百倍は甘い顔で。