乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

真は入院中もタブレット持ち込んで、事務所に指示出したり報告受けたり。結局、場所を病院に移して仕事してるのと変わんなかった。

だけどかえって良かったかもしれない。機械に例えるなら、油差しただけの使い古しのパーツがあとどれくらいもつか。タイムリミットを数えるより、悪いコトに頭使ってた方が気が紛れたかな・・・って。

誰かさんの時みたいな大袈裟な退院祝いは本人が辞退したから、その夜は久しぶりに遊佐家全員そろって食卓を囲んだ。榊も当然、もれなく参加。

このごろ可愛いリンの重みが背中と腰に来るようになったあたしは、ママ達がわざわざ新調してくれた、座面のひろいカウチソファで脚を伸ばさせてもらいながら、晩酌してるみんなの話に付き合った。

「ついこないだまで、宮子お嬢をあやしてた気がするがねぇ」

ひとり掛けに座った哲っちゃんがグラス片手に、淡く口角を上げる。

「こんな好い女に育った礼ならいらんぞ?真」

「そこは譲ってもいーけどさ。カワイイ孫ができた礼なら聞くよ?」

どっちもどっちな親子の会話が、聞いててくすぐったい。

「仁もどうだ、竹中の娘で悪くないと思うがな」

「・・・角に色々と洗わせてるところだ。話はそれからにしてくれ」

たけなかのむすめ。仁兄の素っ気ない返事にピンときた。

「仁兄、いつお見合いしたの?」