目が合って。もうひとつの不安の正体を、ユキちゃんには見抜かれてた気がした。
すっかり知れ渡って、ほうぼうからお祝いが届いたり、今まで娘との距離を詰めようとしなかったお父さんまで、毎日様子を見に来たり。
くすぐったいくらい嬉しくて、しみじみ愛情を感じる分、期待や責任がまとわりついた。
“こんな奇跡は二度は起きない、どうしよう、ちゃんとしなきゃ”
100%純粋に喜ぶより、自分で自分に呪いをかけてた。
「朋美さんが遺したかったのも跡目じゃない。惚れぬいた男との証をただ抱きたかったんだよ」
お母さんもあたしを。
低くも高くもない、優しいのに強い声が矢になって、一瞬で黒い靄を散らした。
いつもは遠いとこから見守ってくれてるだけのお母さんが、すぐそこにいるような。もし生きてたらきっと同じこと言ってくれたのを、不思議と信じられる。
ほらね?ユキちゃんの魔法は特別。
「・・・ありがとユキちゃん」
このごろ涙もろくなってるあたしに、聖母のような慈愛の微笑みを咲かせる。
「お礼を言われるようなことは何もしてないよ」
「お礼しかないってばぁ・・・っ」
「宮子お嬢がそう思ってくれるなら、ここに置いてもらった意味もあったんだろうね」
すっかり知れ渡って、ほうぼうからお祝いが届いたり、今まで娘との距離を詰めようとしなかったお父さんまで、毎日様子を見に来たり。
くすぐったいくらい嬉しくて、しみじみ愛情を感じる分、期待や責任がまとわりついた。
“こんな奇跡は二度は起きない、どうしよう、ちゃんとしなきゃ”
100%純粋に喜ぶより、自分で自分に呪いをかけてた。
「朋美さんが遺したかったのも跡目じゃない。惚れぬいた男との証をただ抱きたかったんだよ」
お母さんもあたしを。
低くも高くもない、優しいのに強い声が矢になって、一瞬で黒い靄を散らした。
いつもは遠いとこから見守ってくれてるだけのお母さんが、すぐそこにいるような。もし生きてたらきっと同じこと言ってくれたのを、不思議と信じられる。
ほらね?ユキちゃんの魔法は特別。
「・・・ありがとユキちゃん」
このごろ涙もろくなってるあたしに、聖母のような慈愛の微笑みを咲かせる。
「お礼を言われるようなことは何もしてないよ」
「お礼しかないってばぁ・・・っ」
「宮子お嬢がそう思ってくれるなら、ここに置いてもらった意味もあったんだろうね」



