「なんかしっくりこないんだよねぇ、榊が長男て」
「誰かみたいに『オレにまかせろ』とか、自分からアピールするタイプじゃないからでしょ?黙って後ろをついて来るだけに見えて、なにかあると真っ先に壁になってくれたし、ちょっと具合悪いのを我慢して遊んでると『帰れ』って、宮子より先に気付いたわよ」
「そう、なんだ」
「誰かよりぜんぜん頼りになったのよねー」
「・・・紗江さ、ほんとはオレのことすっごくキライ?」
「さあ?」
しおれた男を澄まし顔でからかう紗江。ネコ型配膳ロボットが、追加オーダーしたミニチョコサンデーを運んできて話はリセットされ、紗江の引っ越し報告へと逸れてく。
三人でも話は弾んだ、楽しかった。榊は自分に振られないかぎり会話に参加しないから、いつも三人で喋ってるようなもんだった。
でも。いないと景色がちがう。向こう側が見えすぎる。そこだけ切り取られたみたいに空いてるのを、なにかで塞ぎたくなる。
デザートをお腹に収めきって、名残惜しいけどお開きにした。あんまりママを独り占めして、陽斗君とダンナさんに嫌われたくないし。
レストランの駐車場で待機してくれてた黒のミニバンに乗り込み、運転手の西沢さんに待ち合わせたコンビニまで送ってもらう。
別れ際、紗江が手を握ってあたしを真っ直ぐ見つめた。
「いい?あたし達は、おじいちゃんとおばあちゃんになるまで四人だからね。ひとりでも欠けたら赦さないからね?」
「誰かみたいに『オレにまかせろ』とか、自分からアピールするタイプじゃないからでしょ?黙って後ろをついて来るだけに見えて、なにかあると真っ先に壁になってくれたし、ちょっと具合悪いのを我慢して遊んでると『帰れ』って、宮子より先に気付いたわよ」
「そう、なんだ」
「誰かよりぜんぜん頼りになったのよねー」
「・・・紗江さ、ほんとはオレのことすっごくキライ?」
「さあ?」
しおれた男を澄まし顔でからかう紗江。ネコ型配膳ロボットが、追加オーダーしたミニチョコサンデーを運んできて話はリセットされ、紗江の引っ越し報告へと逸れてく。
三人でも話は弾んだ、楽しかった。榊は自分に振られないかぎり会話に参加しないから、いつも三人で喋ってるようなもんだった。
でも。いないと景色がちがう。向こう側が見えすぎる。そこだけ切り取られたみたいに空いてるのを、なにかで塞ぎたくなる。
デザートをお腹に収めきって、名残惜しいけどお開きにした。あんまりママを独り占めして、陽斗君とダンナさんに嫌われたくないし。
レストランの駐車場で待機してくれてた黒のミニバンに乗り込み、運転手の西沢さんに待ち合わせたコンビニまで送ってもらう。
別れ際、紗江が手を握ってあたしを真っ直ぐ見つめた。
「いい?あたし達は、おじいちゃんとおばあちゃんになるまで四人だからね。ひとりでも欠けたら赦さないからね?」



