言われて振り返る。さっきまで、通路を挟んだ斜めうしろの二人席にいたはずの角さんは、いつの間にかいなくなってた。
テーブルの上にはドリンクバー用の、飲み替えたグラスが四つか五つ。退屈な護衛をお願いしちゃってほんと、申し訳なさすぎる。大事な虎の子を貸し出してくれる甲斐さんにも、一度ちゃんとしたお礼しなきゃ。
ぼんやり考えてるうち、トレーにグラスを三つ乗せた紗江が戻ったのを、懐かしく思い出してつい笑みが零れた。
「?なに?」
「高校の頃から変わんないなーって思って。いっつも紗江がみんなの分取ってきてくれたもん」
「座り順じゃない?だいたい宮子は奥に座るから、あたしが自然と通路側ってだけよ」
「そーだっけ?」
「あーそれ、宮子にクセつけたのオレ」
氷多めなジンジャーエールに口を付けながらなんでか、ダンナ様はドヤ顔。
「俊哉と紗江は昔から面倒見いーんだよ」
中心にいて、みんなを巻き込んで引っぱり回すのは真だった。でも羽目を外しすぎると止めてたのは榊で、怒らせたらおばあちゃんより怖いのが紗江、っていうのは刷り込まれてたよね。
「長男は榊クンでしょ」
「え、もしかしてあたしが末っ子??」
目を丸くしたら、ふたりに『今さら?』って顔された。
それはともかく長男発言は初耳。一番のしっかり者は紗江だから、本人も長女役を自覚してるんだとばっかり思ってた。
テーブルの上にはドリンクバー用の、飲み替えたグラスが四つか五つ。退屈な護衛をお願いしちゃってほんと、申し訳なさすぎる。大事な虎の子を貸し出してくれる甲斐さんにも、一度ちゃんとしたお礼しなきゃ。
ぼんやり考えてるうち、トレーにグラスを三つ乗せた紗江が戻ったのを、懐かしく思い出してつい笑みが零れた。
「?なに?」
「高校の頃から変わんないなーって思って。いっつも紗江がみんなの分取ってきてくれたもん」
「座り順じゃない?だいたい宮子は奥に座るから、あたしが自然と通路側ってだけよ」
「そーだっけ?」
「あーそれ、宮子にクセつけたのオレ」
氷多めなジンジャーエールに口を付けながらなんでか、ダンナ様はドヤ顔。
「俊哉と紗江は昔から面倒見いーんだよ」
中心にいて、みんなを巻き込んで引っぱり回すのは真だった。でも羽目を外しすぎると止めてたのは榊で、怒らせたらおばあちゃんより怖いのが紗江、っていうのは刷り込まれてたよね。
「長男は榊クンでしょ」
「え、もしかしてあたしが末っ子??」
目を丸くしたら、ふたりに『今さら?』って顔された。
それはともかく長男発言は初耳。一番のしっかり者は紗江だから、本人も長女役を自覚してるんだとばっかり思ってた。



