乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~

あたしも真も機能に問題がないのは検査でわかってる。間違ってない方法でふたりの子供を授かれれば、それで十分!

「じゃあ下の子とは歳が近くなるかもね」

紗江も嬉しそうに笑った。

手が届く未来に、紗江んちで子供達を遊ばせながら、子育てあるあるを分け合うママ同士が思い浮かんだ。うんざり顔で黙って付き合ってる榊もいた。叶わない気がしなかった。

しょっちゅう電話してるのに、会えば会ったでおしゃべりが尽きない。別腹でミニチョコサンデーを追加オーダーしようか、悩んでたところに着信があった。仕事の切りがついたらしく、ここへ向かってる真からのだった。

「なんだかんだ宮子が心配で来ちゃうわけね」

「紗江のカオも見たくてさ」

「そのホスト癖も治してくれるんじゃない?腕のいいシンガポールのお医者さんなら」

二十分ほどして現れた真に、ニンマリ皮肉を込める紗江。若気の至りで来るモノ拒まずだったヤンチャ男を会うたび意地悪くイジるのも、半分は愛だから放っとく。

「オレのは遺伝じゃねーの?」

悪びれもせず笑い、隣りにゆっくり腰掛けた真の松葉杖を預かって、ソファ椅子の奥に立てかけた。

「宮子、ドリンクバーとチョコサンデーふたつ追加ね。遊佐クンなに飲む?取ってくるわ」

「甘くない炭酸」

「はいはい」

軽く受け流して紗江が席を立つと、アイドル顔があたしに甘く横目を流す。

「角さんには引き上げてもらったから、好きなだけ女子会しな?」