「光れ、夢を追え」

そう言って、蘭ちゃんは微笑んだ。

「……続き、か……実は、続きが思い付かなくて……」

私は、蘭ちゃんからノートに視線を移す。

結末は、決まっている。けど、そこに辿り着くまでにどう物語を展開させていくのか、まだ決まっていない。

というより、何も思い付かない。

「…………この物語の主人公、私みたいだった」

急に蘭ちゃんが話し出して、私は顔を上げる。

「私も、主人公と同じように……夢を諦めたから」

蘭ちゃんは、そう言って悲しそうな笑みを浮かべた。



「絆ちゃ~ん!」

翌日。ホームルームが終わった私は、すぐに文芸部の部室へ駆け込む。

「あ!みーちゃん!」

既に部室に来ていた絆ちゃんは、ひまわりが咲いたかのような明るい笑顔を浮かべた。

「……ねぇ、みーちゃん」

「ん?」

「最近、蘭ちゃんと仲良いでしょ?」

そう言って、絆ちゃんは今度は困ったように笑う。

「……私のクラスで、こんな噂が流れてるんだよね」



――蘭ちゃんは、自殺志願者じゃないかって

さっきから、絆ちゃんの言葉が頭の中を駆け巡っては止まらない。

早く、真偽を確かめないと。

噂というのは、次第に大きくなっていくと言う。この噂も、大きくなったものであって欲しい。

「……蘭ちゃん」