「光れ、夢を追え」

「う、ううん……大丈夫……蘭ちゃんに話しかけられるとは、思わなくて……」

私が答えると、蘭ちゃんは「私の名前、知ってるんだ」と呟いた。

高校生になって、まだ2か月。しかも、隣のクラスだし初めて話したし、私が蘭ちゃんの名前を知らなくて無理はない。

「あ、えっと……蘭ちゃん、私のクラスで有名だよ。天才だって。蘭ちゃんも、私の名前知ってるんだ」

「うん。私、生徒会の人間だからね。生徒は全員把握するようにしてる」

「……そっか」

蘭ちゃんは、書記として生徒会にいる。

「…………ずっと、美里さんと話をしたかったの」

ポツリと、蘭ちゃんは呟いた。その呟きを拾った私は「私と?」と返す。

ずっとノートを見つめていた蘭ちゃんは、ここでようやく顔を上げて私の方を見た。

赤いフレー厶のメガネの奥にある大きな瞳は、どこか寂しそうに見える。

「うん。美里さん、入学当初から輝いて見えたんだ。なんて言うんだろ?こう、希望に溢れているっていうか……」

「……?」

「とっ、とにかく!私ね、読書が好きなの。美里さんも、好きでしょ?読書。いつも、図書室で本を読んでるし……だから、私におすすめの本とか教えて欲しいなって」