「光れ、夢を追え」

部活が終わってから、図書室が閉まるギリギリまで滞在して、家に帰る。それが、私の日課。

「ごめん、私用事があって無理なんだ!」

たまには一緒にって思って絆ちゃんを誘ってみると、絆ちゃんは申し訳なさそうな顔をした。

「大丈夫だよ。こっちこそ急に誘ってごめんね。また明日ね」

帰る準備をしてから絆ちゃんに挨拶をすると、部室を出て真っ直ぐに図書室へと向かう。

図書室に入ると、図書室にある机の隅の方で1人の女子生徒が勉強をしていた。

確か、隣のクラスの蘭(らん)ちゃんだっけ。

……すごいなぁ。あの子……。

蘭ちゃんは私と同じ1年生で、学年の中で1番賢いとの噂だ。

私は少し蘭ちゃんの様子を見た後、新しく入った小説を手に取ると蘭ちゃんの近くに座る。

3つ並んだ机のうち、1番手前の右端。1番、出入口に近い席。

蘭ちゃんがノートにシャーペンを走らせる音を聞きながら、私は本を読むために本を開こうとした。

「……美里(みさと)さん。ちょっといい?」

不意に蘭ちゃんに話しかけられて、私はびっくりして手に持っていた本を落としてしまう。

「ひゃ、ひゃい……」

返事をする声が上ずってしまって、私は恥ずかしくなる。穴があったら入りたい。

「ふふ、驚かせてしまってごめんね」