手を繋いで、君と前を向く。

この間この神社の入り口で殴られたあと、それなりに顔が腫れてしまい傷も多かったから治りが遅く、潮路に会いに行くのを戸惑ってしまっていた。

移植の日に少しだけ行ったものの、潮路の母親が俺のケガを見て目を見開いていたから、行かなきゃ良かったとさえ思っていた。

無菌室から元の病室に戻ったことは母さんの見舞いのときに看護師から聞いていた。

だけど、このケガが原因で潮路の母親によく思われてないんじゃないかと思ったら、なかなか行けなかった。勇気が無かったんだ。

でも、潮路から"さみしい"と送られてきた瞬間にそんなことどうでも良くなった。

会いに行って、ほぼ一ヶ月ぶりくらいに潮路の顔を見て。

移植前よりかなり明るくなった顔色に安心して、それ以上に俺が来たことで号泣している潮路が愛おしくてたまらない。

好きだ。そんな言葉が喉から溢れてしまいそうで、それを抑えることに必死だった。

もっと早く会いに行くべきだった。あんなに潮路に寂しい思いをさせるくらいなら、ケガくらい堂々と見せる勢いで会いに行けばよかった。

もうケンカもやめたんだ。後ろめたいことなんて何もないんだから。

でも、衝動的にキスをしてしまって明日からどんな顔で行けばいいのかわからない。

もし、面会に行って潮路に拒否されたら……?

そうじゃなくても、口を聞いてくれなくなっていたら……?

考えれば考えるほど、悪い方向に思考が引っ張られていく。