手を繋いで、君と前を向く。

な、に……?今、何が起こってるの……?

震えている唇が頬から離れたとき、わたしは何が起こったのかがわからずに、頬を抑えながら九条くんを見上げる。


「……悪い。我慢の限界だった。……嫌だったら、ごめん。また明日来るから」


それだけ言うと、わたしの頭をどこか乱暴に撫でてから逃げるように帰っていってしまった。


「……」


頭が、全く働かない。


「え……?わたし、もしかして……」


九条くんに、頬にキス、されたの……?

それに気が付いた時、ボンッと爆発したかのように全身が真っ赤に染まり。

心臓が痛いくらいにバクバク高鳴り、息が上がる。


「な、な、なんっ……!?」


どうして、とか。

なんで、とか。

疑問は頭の中にたくさん浮かんでいるのに。

それ以上に九条くんの柔らかくて震えていた唇の感触が頭から離れずに、その晩は全く眠ることができなかった。