手を繋いで、君と前を向く。


それから十分ほど。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「九条くん……本当に来てくれたの……?」

「当たり前だろ……」


走ってきたのだろうか。汗をかいて息切れをした九条くんが病室までやってきて、わたしはその姿を見て泣いてしまう。


「どうした……そんな寂しかったか?それともどっか痛む?」


慌ててわたしに駆け寄って視線の高さを合わせてくれた九条くんに、何回も首を横に振る。


「違うのっ……嬉しくて……寂しいって言ったけど、来てくれるとは思ってなかったから……」

「来るよ。寂しいって言われて、少しでも面会時間があるなら来るに決まってる。だって俺言っただろ。潮路の気持ち受け止めるって。寄り添うって。言っただろ」

「だって、最近会えてなかったからっ……忙しいと思って」

「それは……いろいろあったのと、このケガ見たら、潮路が心配すると思ったからで」


その言葉によくよく見つめると、九条くんの顔にはいくつか絆創膏が貼ってあった。

それを見て、どうしようもなく胸が苦しくてたまらなくなる。


「でも、そんな泣かせるくらいならちゃんと来ればよかったな……」


違う、違うよ。そんなこと言わせたいわけじゃないの。

面倒なやつだと思われたくないだけなの。九条くんにわがまま言って嫌われたくないだけなの。

首を何度も横に振ると、九条くんはわたしの顔をそっと両手でおさえて、お互いの視線を合わせた。