手を繋いで、君と前を向く。

俺からお守りを受け取った母さんは、信じられないという様子で泣いていた。

何度もありがとうと呟いていて、照れ臭くて。

だけど、気分は良かった。

お守りのおかげで潮路と直接会うこともできて、あとは移植の成功を祈るのみ。


「……潮路の移植が、問題無く成功しますように。それで、潮路と母さんの病気が治りますように」


ガラじゃないことくらい、わかってる。

こんなナリの不良が神社で毎日のようにお参りしてるなんて、側から見たら異様な光景なのもわかっている。

だけど、今はこれしか俺にできることはないから。

神頼みでもなんでも、俺にできることをしてやりたいと思うから。

だから、明日も明後日も、二人の病気が治るまで俺は毎日でもここに通う。



それと同時に、俺にはやらないといけないことがあった。


「……よぉ、九条。探したぞ」

「……お前もしつこいな」


神社からの帰り道、階段を降りているとそいつは今日も俺を待ち伏せしている。

近所にあるもう一つの中学に通う、しょっちゅう俺にケンカを売ってくる赤髪のクズだ。

名前はなんと言ったか。もう忘れてしまうくらいには興味が無い。

今まで潮路に手当てされた時も、こいつに売られたケンカを買った時のもの。

それを思い出すと、こいつがきっかけで潮路に出会ったのかとなんとも複雑な心境になる。