手を繋いで、君と前を向く。

お守りを買ったのは、どちらかと言えば偶然に近かった。

潮路に面会を断られた帰りに、病院内のあのコンビニで飲み物を買っていたら他の見舞い客が話していたのだ。


"隣町にある神社のお守りがね、最近人気なんですって"

"聞いたことあるわ!病気によく効くらしいわよね。今からお父さんのために買いに行こうかしら"


おばさん二人の声に反応した俺は、スマホでそのお守りを調べまくった。

おばさんたちが言っていた通り、隣町にある神社が最近有名らしい。

売っているお守りがすごくよく効くとか。

今までお守りなんて気休めだろと思っていて、信じたことなんてなかった。

だけど、今回ばかりは信じたかった。

"病気平癒"というお守り。

病気に効くなら、きっと潮路にも。

直接会えなくても、そんなものでもいいから潮路を励ましたい。

病は気からとかなんとか言うし、少しでもつらい気持ちが薄まるように。

寂しがりやの潮路の、心の拠り所となれるものを。

そう思ったら、その日のうちに隣町まで行き、その神社に向かっていた。

病気平癒のお守りは、ピンクと水色の二色だった。

迷わずピンクを手に取ったのは、潮路には水色よりピンクが似合うと思ったから。

前にお見舞いに行った時に、ピンクのパジャマを着ていたから多分好きな色なんだろう。

そう思ったら迷うことはなく、紙袋に入ったお守りを受け取った。