手を繋いで、君と前を向く。

『わたし、前にも白血病で入院してたって言ったでしょ?』

「あぁ」

『その時は、抗がん剤治療で寛解したの。だから今回もそうだと思ってて。効かなかったら移植だっていうのは九条くんにも言ってたし、頭ではわかってた。だけど、心のどこかではそうはならないだろうって思ってるわたしがいたの』

「そうだな。誰だってそう思うと思う」

『うん。……だから、なんか怖くて……』


ぽつりと呟く声に、今すぐ会いに行きたい衝動に駆られる。

最近いつもそうだ。

潮路の顔が見たくて、面会できないとわかっていながら病室へと足を運んでしまう。

看護師が言うには、身も心もボロボロになってしまっているらしい潮路。

母親以外の面会は今全て断っているようで、ほぼ一人で治療に耐えているのを知っている。

まだ潮路と知り合って間もないし、潮路のことでは知らないことの方が多い。

だけど、潮路が人一倍頑張り屋で、その分寂しがりやなことはなんとなく知っているから。

今、もしかしたら潮路は一人で泣いているんじゃないかと思ったら、すぐにでもそばに行って抱きしめてやりたくなった。

俺にできることなんて全然無くて。

むしろ、また増えたケガで逆に心配をかけるだけだというのはわかっている。

またケンカしたのかって、潮路に叱られるかもしれない。幻滅されるかもしれない。

だけど、どうしてだろう。

ただ、潮路に会いたい。今はそれだけだ。