手を繋いで、君と前を向く。

「わざわざ買ってきてくれたのかな……」

「多分そうね。よかったね雪菜ちゃん」


いつの間にか涙は止まっていて、その代わりに胸に温かなものが広がる。

わたしは拒絶してるのに。こんな姿見られたく無いって嫌がって会ってないのに。それなのに。

九条くんはわたしのために、こんなに素敵なお守りを用意してくれていた。

こんな可愛いピンク色のもの。買うの嫌じゃなかったかな。恥ずかしくなかったかな。

でも、負けるなって。頑張れって。諦めんなって。そう、応援してくれているように感じる。

このお守りの中から、九条くんの声が聞こえるような気がした。


「はい。すっごく、嬉しいです」


心が震えて、自然と笑顔になる。

この感謝を直接伝えたくて、ずっとしまいこんでいたスマホを取り出した。

そういえば治療がつらすぎて全然見てる余裕もなかったから、充電も切れてしまっていたみたい。

慌てて充電器を指して、少ししてから電源を入れる。

すると、待ってましたとばかりにたくさんのメッセージの通知が来て驚いた。

そのほとんどが愛ちゃんとお母さん、あと何人かの友達で、返事ができなかったことを謝りつつ返事をする。

そして、愛ちゃんに一つお願いをした。