手を繋いで、君と前を向く。

「あいたいよ……」


だけどそんな呟きが部屋の外に届くわけもなくて。

胸の痛みは増すばかりで、ただこぼれ落ちる涙が枕を濡らしていった。

数分で看護師さんが部屋に戻ってきて、


「雪菜ちゃん、那智くん帰ったわよ」


全てを理解した上で優しく声をかけてくれることに安心する。


「……ありがとう、ございます」

「ううん。あ、あとこれ。那智くんから預かり物」

「え……?」

「雪菜ちゃんに渡してって」


驚いて涙を拭いて布団から顔を出すと、看護師さんが小さな紙袋に入ったものを渡してくれた。


「なんだろ……」

「開けてみたら?」


こくりと頷いて、布団から出て袋を開けた。


「あ……お守りだ……」


中に入っていたのは、ピンク色でできた可愛らしいお守りだった。


「あら、それ隣町にある有名な神社のお守りね」

「え?」

「病気に効くって噂で、うちの患者さんのご家族がよくお見舞い品で持ってくるのよ」

「そう、なんだ……」


手の中にすっぽりおさまるくらいの小さなお守り。

だけど、今のわたしにはこれがとても大きなものに感じられた。