手を繋いで、君と前を向く。

「どうしたい、って……?」

「うーん……正直わたしはまだ九条那智のことは信用してないんだけどね?でも雪菜が九条那智のことを好きだって言うなら、応援したいとも思ってる。わかりやすく言うなら……そうだね、雪菜は九条那智と付き合いたい?」

「つ、付き合う!?」

「うん。好きなら告白してお互い同じ気持ちだったら付き合う。それが恋愛でしょ?」

「そっか。そうだよね」


頷くと、愛ちゃんも笑顔で頷いてくれた。

九条くんのことを好きだと気付いたからには、そりゃあお付き合いができたら素敵だなとは思う。思うけど……。

でも、九条くんがわたしと同じ気持ちなのかわからないし、何よりもわたしは今病気だ。

この先どうなるかもわからない状態で、この気持ちを言葉にして伝えるのって、なんかずるい気がする。

それに、わたしが気持ちを伝えることで気まずくなったりしたら?

変に九条くんに気を遣わせてしまうんじゃない?九条くんがわたしのこと、なんとも思ってなくて困らせることになったら?

今、週に一回の九条くんとの些細な時間がとても楽しいのに、それが無くなってしまうんじゃ……。

そう思ったら、


「……付き合いたいっていう気持ちはあるけど、今は言えない、かな……」


としか言えなかった。

だけど、愛ちゃんは少し考えてから


「それは、病気のことがあるから?それともフラれるんじゃないかって怖い?」


と聞いてくる。


「……両方」


小さく頷くと、


「そうだよね。その不安はわかる。……だけど、雪菜はそれでいいの?」


と真っ直ぐわたしを見つめた。


「え……」

「気持ちを伝えないままで、後悔しない?」


愛ちゃんのその言葉に、わたしは何も答えることができなかった。