手を繋いで、君と前を向く。

衝動的に抱きしめてしまった自分の行動が、今になって急に恥ずかしくなって鼓動が速くなった。

俺、なんで抱きしめた?あそこまでする必要あったか?

確かに柄にもなく、"可愛い"なんて思って衝動的に抱きしめたけど……。

ん?可愛い?いやいやいや。違うだろ。だから何考えてんだ俺は。

焦ってなぜか自販機に向かい、喉が渇いたわけでもないのにアイスコーヒーを買う。

一口飲むと、苦味が頭を冷静にさせてくれる気がした。


……帰ろう。


結局、俺はここに何をしにきたのだろう。

潮路の顔を見て、話して、励まして。

あれだけ潮路のお節介を馬鹿にしておいて、どう見ても俺の方がお節介じゃねぇか。


「ハッ……どーしたんだよ、俺は一体」


今までの自分だったら、誰かのために病院まで駆けつけるなんて、絶対にしなかった。

それなのに。


"なんか勝手に身体が動いてて。用もないのにここに来てた"


自分で関わるなって言ったくせに。


「……あんな顔見たらもう放っとけないだろ……」


どうやらあいつのお節介とお人好しが移ってしまったようだ。

じゃないと、こんなのおかしいだろ。

俺が誰かと関わろうとするなんて。

あいつを助けてやりたいと思うなんて。

絶対、おかしいに決まってるんだ。